ゲイ・バイセクシュアル男性のHIV感染予防行動と心理・社会的要因に関する研究 SPIRITS@Wave 2 (2003年)調査結果報告

このサイトに関するお問い合せはこちら

研究代表者
日高 庸晴 京都大学大学院医学研究科(研究実施時)


研究目的

2000年頃より米国においてはインターネットを通じてセックス・パートナーを探すゲイ・バイセクシュアル男性の特性の把握や、インターネットを通じたHIV予防介入の試みがなされていますが、本邦においてそういった取り組みは十分に実施されているとは言い難い状況にあります。加えて、ゲイ・バイセクシュアル男性のHIV感染予防行動に関連する心理・社会的要因および生育歴の実態を把握する調査研究の実施もほとんどされてきていません。これまでに本邦で実施されてきた行動疫学調査によると、ゲイ・バイセクシュアル男性のインターネット利用率は比較的高率であると推察されることや、インターネットや携帯電話の出会い系サイトを通じた出会いやセックスの機会があることが報告されています。これらのことからインターネットによる調査を横断的に実施しました。

本研究の目的は、インターネットを通じたHIV予防介入プログラムの構築や情報提供に資するために、ゲイ・バイセクシュアル男性のインターネット利用層のHIV感染予防行動の実態やそれに関連する心理・社会的要因やその背景を明らかにすることです。

研究方法

研究参加者はこれまでに男性とセックスの経験のある男性として、Web上に開設した本研究専用ホームページを介して、無記名自記式質問票調査を実施しました(実施期間:2003年2月28日~5月16日)。質問項目の構築にあたっては、1)2001年8月~9月に実施した本研究の第一次調査であるオンライン質的研究 Sexuality, Psychological, and Identity Related Issues Targeted Study (SPIRITS) Wave 1によって抽出された、セックスやコンドーム使用および不使用行動に意識的・無意識的に作用していると考えられる心理的な問題の諸側面や、2)本邦においてHIV陽性者やゲイ・バイセクシュアル男性の心理カウンセリングの臨床経験がある心理臨床家による臨床経験に基づいた示唆、3)米国における先行研究の結果を参考に検討しました。

研究結果

結果の一部は報告書(PDF版)としてまとめてあります。
PDFをダウンロードする