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REACH Online 2012調査結果のご報告

この度は、ゲイ・バイセクシュアル男性のためのインターネット調査REACH Online 2012にご参加いただき、誠にありがとうございました。

REACH Online 2012は、2012年8月27日から2013年1月31日まで実施いたしました。REACH Online 2012では、昨年実施したREACH Online 2011で好評だったモバイル版を改良して、携帯電話やスマートフォンなどモバイル端末からの快適なアクセスを心がけたシステムを採用しました。PCからアクセスされた方には、ご不便をおかけしたことをお詫び申し上げます。

モバイル端末からのみのアクセスにも関わらず、計9,857名(有効回答)のゲイ・バイセクシュアル男性にご参加いただきました。また、アンケートに対するご感想やご意見もたくさん頂戴いたしました。この場をお借りしまして、改めてお礼申し上げます。
自由記述では、「今年もREACHに答えたよ。」という常連の方もみられましたが、これまでのREACH Onlineに参加した経験を持つ方は、全体の20%です。つまり、8割の参加者は初めてのREACH Onlineということになります。

また、イラストレーターのSUVさんとの完全コラボにより、季節ごとにバナーデザインを変え、さまざまなインターネットサイト、SNS、アプリを通じて参加者を募集してまいりました。ご協力いただきました関係者のみなさまにも感謝申し上げます。

2013年6月

研究実施者
平成24年度厚生労働科学研究費補助金 エイズ対策研究事業
「HIV感染予防対策の個別施策層を対象にしたインターネットによるモニタリング調査・認知行動理論による予防介入と多職種対人援助職による支援体制構築に関する研究」

研究代表者:日高 庸晴 (宝塚大学看護学部 准教授)
研究分担者:嶋根 卓也 (国立精神・神経医療研究センター  室長)

1.このような方にご参加いただきました

はじめに、REACH Online 2012にご参加いただいた方のプロフィールをご紹介します。

  • まず、大きな特徴として、スマートフォンからのアクセスが増加したことが挙げられます。Androidからのアクセスが42%、iPhoneからのアクセスが31%であり、スマートフォンからのアクセスは全体の73%に達しています。一方、昨年のREACH Online 2011(モバイル版)では、Androidが25%、iPhoneが21%、全体でも46%でしたので、この間にスマートフォンユーザーがさらに拡大している可能性が考えられます。
  • 次に、参加者の年齢層ですが、平均30歳で、13歳から80歳まで幅広い年齢層の参加がありました。REACH Online 2011(モバイル版)の平均年齢が30.1歳でしたので、ほぼ例年並みと言えるでしょう。
  • 参加者の居住地は、47都道府県に分布しており、全国各地からご参加いただいたことになります。東京都17.6%、大阪府8.2%、神奈川県6.6%、福岡県6.3%、北海道5.6%、愛知県4.9%、埼玉県4.6%のように、人口の多い都道府県からの参加者が多いようです。
  • 自認する性的指向としては男性同性愛(ゲイ)が最も多く、全体の67%を占めています。次いで、両性愛者(バイセクシュアル)26%という結果でした。これも例年とほぼ同様の結果です。
  • 自分の性的指向を親にカミングアウトしていない方が全体の80%、家族以外の異性愛者にカミングアウトしている方も40%にとどまっています。セクシュアルマイノリティに対する社会・地域・家族・職場・学校の理解は決して十分とは言えません。ゲイ・バイセクシュアル男性にとって性的指向を開示しにくい環境は依然として続いていることがうかがわれます。

REACH Online 2011(PC版) 研究参加者の基本属性 (有効回答数9,857人)
居住地年齢分布

2. 多様な出会いの場~ゲイタウンからスマートフォンまで~

  • 恋人や性的パートナーとの出会いは、さまざまな場所で起こります。それは、ゲイ・バイセクシュアル男性においても同様でしょう。
  • ゲイタウンには、出会いのチャンスがあちこちにあります。遊びに行ったクラブイベントに素敵な出会いが待っているかもしれないし、たまたま立ち寄ったバーで声をかけられるかもしれません。あるいは、ハッテン場で一度限りの相手と関係を持った経験のある方もいるでしょう。
  • また、最近ではスマートフォンにインストールされたGPS対応アプリを使って、気軽に、かつ効率的に相手を探すことができるようになりました。

(1) 年代によって異なる出会いの場

  • REACH Online2012では、過去6ヶ月間のゲイ向け施設・アプリ(SNS)の利用状況をお聞きしました。下図は、10代~50代以上の年代別にみた出会いの場を表したものです。
  • まず、ハッテン場の利用状況ですが、サウナ系ハッテン場や野外系ハッテン場では、年代が上がるにつれて利用率も上昇する傾向がみられています。
  • ビデオボックス系ハッテン場では年代間の差はほとんどみられません。マンション系ハッテン場では30代の利用率が最も高いという結果になりました。
  • ゲイバーは30代~40代の利用率が高く、ゲイ向けクラブイベント(Men’s only)は20代~30代の利用率が高い傾向がみられています。
  • その一方で、「SNSアプリセックス(GPS対応アプリやゲイ向けSNSを通じて出会った男性とのセックス経験者が占める割合)」は、ハッテン場やゲイバーとは大きく異なり、10代が最も高く、年代が若いほど利用率が高いという傾向がみられています。
  • このように、ゲイ・バイセクシュアル男性の出会いの場は、年代によって違いがみられることがわかります。

(2)地域によって異なる出会いの場

  • 出会いの場は、地域によっても違いがあるようです。下図は、参加者の居住地別にみた出会いの場を表したものです。
  • 例えば、ゲイバー、サウナ系ハッテン場、ゲイ向けクラブイベント(Men’s only)は東京、大阪、福岡といった大都市の居住者において高い利用率がみられています。ゲイ向けの商業施設が都市部に集中していることが、この結果の背景にあるのかもしれません。
  • 一方、ゲイ向けアプリ(SNS)は地域差がほとんどなく、全国各地で高い利用率が報告されています。つまり、ゲイ向け商業施設がない地域であっても、スマートフォン等を通じて恋人や性的パートナーを気軽に見つけることができるようになったことが伺えます。

10代20代

30代40代

50代

3.検査に行く人・行かない人

  • 私たちがHIVに感染しているかどうかは、検査を受けてみないとわかりません。HIVは感染してもはっきりとした症状が現れないため、見た目で判断することができません(感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、この症状からはHIV感染をしているかどうかを確認することはできません)。
  • しかし、検査で確かめてみたいけど、「陽性結果が出たらどうしよう」と不安に感じている人や、検査に行きたいけど毎日夜遅くまで仕事があり、「そんな時間とれないよ」という人もいるでしょう。
  • REACH Online 2012では「HIV検査」に注目し、検査にまつわるさまざまなことをお聞きしました。以下、アンケート結果をご紹介します。

(1) HIV検査の受検経験

  • 実際、どのくらいの人がHIV検査に行っているのでしょうか。これまでに一度でもHIV検査を受けたことがある人は全体の41.0%でした。
  • 検査を受けたタイミングは、過去1年以内22.4%、過去3年以内10.3%、過去3年以前8.3%でした。その一方で、全体の54.6%はこれまでに一度も受けたことがないということがわかりました。
  • つまり、直近の1年間にHIV検査を受けているのは5人に1人程度であり(以下、受検群と表記します)、半数以上の方はこれまでに一度も検査を受けたことがない(以下、未受検群と表記します)ということになります。
  • HIV検査を受けた場所をお聞きしました。検査を受けた場所として最も多いのは「保健所・保健センター(57%)」であり、「病院・診療所・クリニック(30.2%)」、「検査イベント(8.4%)」と続きました。

HIV検査の受検経験

(2) 検査を受けた人たちってどんな人?

  • まず、過去1年以内にHIV検査を受けた人たち(受検群)に着目します。
  • 受検群に、検査を受けた動機について尋ねたところ、「自分の感染の状況を知りたかったから(71.3%)」という回答が圧倒的に多く、「感染が心配になる行為があったから(38.5%)」、「新しいパートナーができたから(15.9%)」と続いています。
  • 受検群の性行動を未受検群と比較しました。受検群は未受検群に比べ、過去6ヶ月間の男性との性交経験割合、アナルセックス経験割合、ハッテン場(サウナ系、ビデオボックス系、マンション系いずれも)の利用割合、MSM向けのSNSやアプリを通じて出会った男性との性交経験割合のいずれも高い傾向にあることがわかりました。

過去1年間にHIV検査を受検した群と未受検群との比較(過去6ヶ月間に経験したこと)

  • 性交時にいつもコンドームを使用する人たちが占める割合、つまり常時使用割合は、受検群で31.2%、未受検群においても30.5%といずれも決して高いとはいえない状況です。
  • 受検群は未受検群に比べて性交機会が多いことから「感染が心配になる行為があった」と感じる機会も多く、「自分の感染の状況を知りたい」という気持ちになり、その結果としてHIV検査を受検した可能性が考えられます。

(3) 誰が検査をすすめたの?

  • 受検群は、誰にHIV検査をすすめられて検査を決意したのでしょうか。
  • 友達・恋人・医療関係者などの選択肢の中からHIV検査受検をすすめた人について尋ねたところ、「誰にもすすめられていない(64.4%)」という回答が最も多い回答でした。次いで「彼氏・恋人(15.2%)」、「ゲイ・バイセクシュアルの友達(13.8%)」と続いています。
  • この結果から、HIV感染が心配になるような行為(無防備な性交など)があった人は、誰に相談するわけでもなく、自らの意志で受検を決断していることがうかがわれます。

居住地

(4) 今後の受検意志(受検群)

  • 今後のHIV検査の受検意志についてもお聞きしました。
  • HIV検査を「6ヶ月以内に受けたい」という回答は59.3%に達しており、「1ヶ月以内に受けたい」という回答も13.7%にみられました。
  • これらの結果から、受検群の多くがHIV検査を定期的に受けようとしていることがうかがえます。

(5) 検査を受けていない人たちってどんな人?

  • 次に、これまでに一度も検査を受けていない人たち(未受検群)に着目します。
  • 未受検群の居住地や年代を受検群と比較しました。未受検群が占める割合は、東京や大阪で低く、東北、北海道、九州で高い傾向がみられます。また、30~40代では低く、10代で高い傾向がみられます。

居住地年齢分布

  • HIV/AIDSをとりまく環境にも大きな違いがみられました。未受検群は受検群に比べ、HIV/AIDSに関するメディア曝露、HIV/AIDSについての話題機会、HIV/AIDSの流行認識がいずれも低いことが明らかになりました。
  • また、HIV検査を受検した友人・知人を「0人」とする割合が高く、HIV陽性の友人・知人数を「0人」とする割合が高いことが明らかになりました。

居住地

(6) なぜ受けなかったの?

  • 未受検群に、これまでHIV検査を受けなかった理由について尋ねたところ、「忙しく、時間がないから(33.4%)」という回答が最も多くみられました。そして、「感染が心配になるような行為をしてないから」31.2%、「検査に行くのが面倒くさいから」29.8%、「陽性結果が出たら怖いから」23.3%、「近くに検査をする場所がないから」19.7%、「特に理由はない」14.5%、「自分のHIV感染の状況を知りたくないから」14.2%と続いていました。
  • 受検群がHIV検査を受検した理由の多くが「自分の感染の状況を知りたかったから(71.3%)」という能動的な動機に対して、未受検者の理由は、「面倒」、「怖い」、「知りたくない」と受動的な理由が中心でした。
  • これらの結果から、未受検者の本音としては、自身の健康に向き合うことに躊躇してしまっていたり、意識的に(あるいは無意識に)避けてしまったりといった背景があるのかもしれません。

(7) 今後の受検意志(未受検群)

  • 今後の受検意志についても積極的になれない回答が多くみられています。
  • 「6ヶ月以内には受けない」という回答が68.1%と最も多い一方で、「6ヶ月以内に受けたい(28.0%)」、「1ヶ月以内に受けたい(3.9%)」と続いていました。

(8) 彼氏・恋人に背中を押してもらいたい

  • 「この人に検査をすすめられたら受けてみようと思う人はいますか?」という質問に対しては64.1%が「彼氏・恋人」と回答しました。次いで「ゲイ・バイセクシュアルの友達」35.8%、「医療者(性感染症)」29.8%、「セックスフレンド」21.3%と続いています。
  • これらの結果から、「面倒」、「怖い」、「知りたくない」と検査に対して積極的な行動を起こせないでいる人に対して、まわりにいる恋人や友達が積極的にHIV/AIDSについて話題に出してみたり、セーファーセックスについて一緒に考えてみたりといった関わりを続けることで、本人のHIV検査に対する気持ちや考え方も変わっていくかもしれません。

居住地

 

4. ドラッグ使う人・使わない人

  • “ドラッグ”と言っても、さまざまタイプがあります。法律で規制されている違法薬物としては、覚せい剤、大麻、MDMA、コカイン、ヘロインなどがよく知られています。
  • 最近では「合法ハーブ」、「バスソルト」、「アロマリキッド」などと称して販売されている脱法ドラッグが流行しています。
  • 性交時の快感を高めることを期待して、セックス時にドラッグを使う人もいます。セックスの相手から「一緒にドラッグを使おう」と誘われたことがある人もいるかもしれません。ここではドラッグに関する調査結果についてご報告します。

(1) 脱法ドラッグって流行っているの?

  • 脱法ドラッグとは、規制対象となっている物質の一部を変化させ、法規制を逃れている薬物のことです。大麻や覚せい剤に似た成分が検出されています。
  • 現在、次のイラストのように、ハーブ系(植物片)、リキッド系(液体)、パウダー系(粉状)の3種類の形状が確認されています。

脱法ドラッグの形状

 

  • 新聞やテレビのニュースでは脱法ハーブが特に有名です。回答者の周囲でどのくらい脱法ハーブが出回っているのかを知るために、脱法ハーブを使用している友人・知人の数を尋ねました。
  • 「知らない(59.2%)」、「0人(30.4%)」という回答が大部分を占める一方で、「1~2人(7.0%)」、「3~4人(1.6%)」、「5人以上(1.2%)」という回答もありました。
  • 脱法ハーブを使っている友人・知人のいる方を合計すると、全体の9.8%となります。つまり10人に1人は脱法ハーブを使う友人・知人が最低一人はいるということです。脱法ドラッグ使用を始めるきっかけは、友人・知人といった身近な存在からの誘いが最も多いことが指摘されています。身近な友人や知人から脱法ドラッグ使用に誘われる可能性は誰にでもあることを意識する必要があります。

(2) どんなドラッグをどのくらいの人が使っているの?

  • 実際にどのくらいの方がどのような薬物を使っているのでしょうか。生涯経験割合(これまでに一度でも使ったことがある割合)と、性交時使用割合(性交時あるいは性交の2時間前までに使ったことがある割合)の2つの角度から調べていきました。

薬物使用の生涯使用経験と性交時使用経験の割合

 

  • 生涯経験割合は、ラッシュが37.0%と最も多く、5-MeO-DIPT(ゴメオ)10.0%、ガス(エアーダスターなど)4.9%、脱法ドラッグ(ハーブ系)4.0%、大麻3.2%、脱法ドラッグ(リキッド系)2.6%、と続いています。
  • 性交時使用割合も、ラッシュが32.0%と最も多く、5-MeO-DIPT8.8%、ガス3.6%、脱法ドラッグ(ハーブ系)2.9%と続いています。そして、脱法ドラッグ(リキッド系)1.9%、脱法ドラッグ(パウダー系)1.6%という結果でした。
  • 生涯経験割合と性交時使用割合を比較してみると、ラッシュ、5-MeO-DIPT、脱法ドラッグは両者が近似していることから、性交時に用いられる機会が中心である可能性が考えられます。一方、大麻は両者に差があることから、性交時以外のセッティングでも使用されている可能性が考えられます。

(3) どうやって手に入れているの?

  • 薬物使用経験者は、どのように薬物を入手しているのでしょうか。
  • いずれかの使用経験を持つ方に、入手先を尋ねたところ、「ゲイの友人・知人」という回答が30.1%と最も多く、「アダルトショップ」29.0%、「その場限りの性交相手」26.5%、「インターネット」22.0%という回答が多くみられました。
    薬物の入手経路

(4) 誰と、どこで使っているの?

  • 入手した薬物を誰とどのように使っているのでしょうか。
  • 一緒に使う相手としては、「友人・知人と使用する(55.1%)」や「彼氏・恋人と二人で使用する(38.1%)」が多くみられましたが、「1人で使用(30.3%)」という回答もみられました。
  • また、使用場所としては、「ホテル・ラブホテル(41.9%)」が最も多く、「自室(39.3%)」、「ハッテン場(33.0%)」、「彼氏・恋人の部屋(29.2%)」、「友人・知人の部屋(26.7%)」と続いています。
  • これらの結果から、性交時にドラッグが使われる機会がかなり多いことがうかがわれます。

薬物の使用場所

(5) ドラッグ使用がコンドーム使用に与える影響

  • 性交時に使用されることが多いドラッグですが、性交にはどのような影響を与えているのでしょうか。
  • 性交時のコンドーム使用状況をもとに、回答者をコンドーム非常用群(コンドームを使わない、あるいは使わないことがあるグループ)と、コンドーム常用群(いつもコンドームを使用するグループ)に分けて、ドラッグ経験割合を比較しました。
  • コンドーム非常用群は、コンドーム常用群に比べ、脱法ドラッグ(いずれの形状も)の性交時の使用割合が高いことが明らかになりました。
  • これらの結果から、セックス時のドラッグ使用が、コンドーム使用の判断を大きく鈍らせる可能性が考えられます。コンドームを使わないセックスにより、セーファーセックスができなくなり、結果としてHIVなどの性感染症に感染する危険性も高くなります。

コンドーム使用状況別にみたドラッグ性交時使用割合

(6) ゲイ・バイセクシュアル男性のストレスと薬物使用

  • 一般的にゲイ・バイセクシュアル男性の薬物使用率は異性愛者に比べて高いことが報告されています。ゲイ・バイセクシュアル男性の薬物使用を説明するモデルとして、「マイノリティストレスモデル」が知られています。
  • 異性愛者中心の社会は、ゲイ・バイセクシュアル男性にとって「生きづらい」社会であり、こうした社会で生活を続けることは、恒常的なマイノリティ・ストレスを生み出し、身体的・精神的な不調をもたらし、疾病や障害を引き起こしやすい状況を生み出します。薬物使用はこうしたマイノリティ・ストレスに対処するための手段として捉えることができます。
  • 自らの性的指向を周囲に開示しにくい異性愛中心の社会で、異性愛者という仮面を付けて振舞わざるを得ないことがストレスの根底にあるという方は少なくありません。同性愛者に対する不合理な差別・偏見を経験した方もいるでしょう。

(7)あなたの秘密は守られます

  • 薬物問題を抱えた本人は、自分の薬物問題に気づきにくい場合や、現実を受け入れることが難しい場合もあります。結果として薬物問題が重症化してしまうこともあります。また、警察への通報や逮捕を恐れて、薬物相談をためらう人もいるようです。
  • しかし、メンタルヘルスの専門家(精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師など)には相談者の秘密を保守する義務(守秘義務)がありますので、相談内容が外部に漏れることはありません。安心してSOSを出してください。

精神保健福祉センター
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html

  • 全国にある精神保健福祉センターでは、薬物問題を抱えた本人およびその家族(同棲状態にあるパートナーも含む)の個別相談を受け付けています。
  • 「こころの健康センター」という名前が付いている場合もあります。相談はすべて無料です。

NA(ナルコティクス・アノニマス)
http://najapan.org/top.html

  • 薬物依存者の当事者同士による自助グループです。
  • ミーティングを通じて薬物依存からの回復を目指します。
  • LGBTのためのグループもあり、薬物問題を抱えたLGBTが薬物依存からの回復を目指して、プログラムに参加しています。

NAR-ANON(ナラノン)
http://www4.ocn.ne.jp/~nar633/

  • 家族や友人等の薬物の問題を抱える人たちによる自助グループです。
  • 家族のみならず、友達やパートナーであっても参加することができます。

居住地

 

今回もさまざまなご意見やご感想をいただき、ありがとうございました。一部ではございますが、ご紹介させていただきます。なお、個人特定を避けるため、また用語や文体を統一するため、一部修正してありますので、ご了承ください。

参加してよかった-REACH Onlineは、ただのアンケートではない-

  • こういうアンケートがあると、ちょっと心が落ち着きます。分かってはいるんだけど、悩んでる人がいるんだって改めて感じました。
  • こういうアンケートをしたのは初めてだった。定期的にアンケートに答えるのも大切なことかもしれないです。貴重な機会をありがとうございます。
  • このアンケートのおかげで、自分を振り返ることができました。
  • このようなアンケートに非常に関心があります。より多くのゲイの意見を取り入れるためにもっと広告に力を入れてほしいと思います。結果も大々的に報告してもらえたらと思います。
  • まず自分自身を認めてあげることかなって思って、参加しました。
  • まだまだ経験は少ないし、自分がゲイだと自覚してからまだ時間も経ってませんが、自分について考えるきっかけになりました!ありがとうございました!
  • アンケートを受けてみて本当に良かったです。自分を素直に認めていける人生を送りたいなと思っています。1人でいるより仲間がいるから、カミングアウト出来るから嬉しいです。
  • 改めて自分について考えさせられました。ありがとうございました。
  • 久しぶりに、重要な内容の質問に、答える事ができたので、事前に防げる危険がありそうな時には、実行をしようという思う気持ちに、切り替われたので、嬉しいです。
  • 今回、はじめてアンケートしました。普段の生活を見直すことのきっかけになりました
  • 今回このようなオンラインアンケートに初めて回答しました。こういったアンケートがある、というのは耳にしたことがあったのですが今まで全く目にしてきませんでした。今回、このアンケートに回答出来たのは偶然ですが、いい経験?、そして自分自身を見つめ直すいいきっかけになりました。
  • 自分自身の性行動を改めて考えさせられるいい機会となりました。ゲイの知り合いにもぜひこのアンケートを勧めたいし、次回以降も積極的に回答したく思います。アンケート結果が楽しみです。
  • 世の中のゲイの人達が、幸せに過ごせますように。そんな願いが込められているようで、素晴らしいと思います。
  • 選択肢が微妙なニュアンスを含んでいたり、背景をよく考慮してくれていたりと回答しやすかった。
  • 大事なことを、改めて考える機会となりました_(_^_)_
  • 誰かに聞いてもらった気がして良かった
  • 踏みこんだ内容が多くあって、回答していて楽しかったです。
  • 普段話せないことをアンケートで話せた気がして少し気が晴れた感じです。
  • 普通のアンケートのようだが、HIV、生活習慣病、ドラッグ等のキーワードに 少なからず反応している自分がありました。遠回しに「気をつけてね。」と言われているような気がしました。実際心の隙間なんて誰にも存在しますから。

ゲイ・バイセクシュアルとしての生きづらさ

  • ゲイとしての悩みを相談できる場所が欲しい
  • ゲイである自分には満足していますが、個人的にはゲイであることが周囲との関係を築けず、健全な社会活動を阻害し、自己評価を下げる一因となっていると感じます。また、同じ同性愛者から、それは甘えだと言われることにも違和感を覚えると同時に、ストレスを感じます。
  • ゲイの友達が一人もいないので欲しい。・・・つぶやきでした。
  • もっとゲイ同士が普通に恋して付き合ったりできるような時代が来てほしい。恋愛は男と女というような概念がなければ好きになって付き合ったりできるんじゃないかと思う。
  • 現在日本では良い意味でも悪い意味でも同性愛について無関心だと思う。もう少しメディアなどで同性愛者について取り上げられても良いのでは。一般の人はゲイ=おねえ系のイメージしかない。
  • 今までこのようなアンケートをした事がなかったのですが、自分の今の気持ちを表す事が出来ました。私は既婚者ですがもともとは男が大好きで結婚する気持ちはなかったのです!しかし親がうるさいので結婚したのです!今でも男が大好きです。
  • 社会人三年目のゲイです。職場での女性関係等の質問などで、上司からパワハラを受けました。どうして女性が好きな男に生まれなかったんだろう。男性が好きなだけで変態扱いをされる。男性を好きなだけで、社会的に生きにくい日本が嫌だなとまで考えました。自分みたいなゲイはたくさんいると思います。
  • 社会的にもこの国的にも同性愛という観念が受け入れられる素晴らしい社会になって欲しいという強い思いで回答した。だから私たちを理解して欲しい。そして社会的に認められ差別がない当たり前の生活を送りたい。
  • 少子化のニュースを見るのが、人生で一番つらいです。
  • 正直、毎日辛いっすね。盆正月に、実家に帰って親に会ったら何とも言えない気分になります。職場でも、ゲイの話題なんか出ると、バレてるんじゃないか、など余計な心配しないといけないし、最近は二重人格になったような気がします。
  • 男同士であっても、女同士であっても異性同士であっても、人が人に恋をしているのには変わりありません。なぜ、同性愛に偏見があるのか理解できません。オランダみたいな同性愛が完全に認められ、偏見の少ない国になってもらいたいです。
  • 同性愛者がストレスなく暮らせる社会になってくれたらいいなと思います。そのためにも今回のアンケート結果を適切に使ってください。
  • 同性愛者がもっと住みやすい世の中になることを願っています。具体的にはパートナーとの法律的な理解や一人で生きていくことに不安が少なくなればいいなと思います。同性愛者ということを隠して生きることは自分を偽って生きることであり、そのストレスは想像以上に大きいものです。嘘をひとつつくたびに自信を失っていく気持ちなのです。

HIV検査受けてみようかな

  • 一度は検査を受けようと思いました。自分以外にも同じ様に感じる人が増えれば良いなぁと思います。
  • 改めて過去にしてきた事を振り返るいい機会でした。感染症の検査を定期的に受けようと思えました。
  • すごい勉強になりました。検査受けようと思いました。有り難うございました
  • 最近HIV検査受けてなかったのですが、このアンケートで改めて受けてみようかと思いました。このような形での啓発活動も必要かと思いました。

地方で暮らすことのしんどさ

  • 半年に1回クリニックに検査にいってますが、5000円は高く感じます。かといって地元の保健所は平日の昼間だけ。田舎だとよくある話ですが、なんとかならんのかなーと思います。
  • HIV検査が、もっと簡単にできるようになればいいなと思います。地方の人は、なかなか受けに行きにくいです。
  • 大都市だといろんな団体とか施設とかあり検査を受けやすい環境があると思いますが、地方だとエリアが狭いし施設が少ないので、仕事休んだりして行くしかないとか、知りあいに見られやすくて受けにくい環境にあると思うので、他県の施設で休日に受けられたら、検査したいです。
  • 地方は人口も少ないし、公務員の守秘義務なんて信用できないし。都会と違う分、地方は検査うけるにも、もしも陽性だった時のフォロー、カウンセリング体制にもかなり遅れているところがあると思います。

脱法ドラッグ

  • 脱法ハーブ、恐ろしいと感じます。脱法ハーブやドラッグなど、自分の周囲の人には絶対そんな事はしてほしくないですし、もし気付けたのならやめさせたい。
  • ドラッグはかなり前に合法な時に試したことがあるが決して良くないと思いました。
  • ラッシュは規制されるずっと前に一回だけ相手からかがされた事があるだけ。特に何もかんじなかった。
  • 薬物使用は相当広がっています みんな言わないだけじゃないかと思うくらいに

セックスと性感染症のこと

  • ゲイの人々は自分も含めてもっと性病の問題など色々な課題に目を向けなくてはならないと感じました。 気軽にネットで調査が行えると、調査項目をみるだけで、ふと色々な問題意識が沸いてくるので良い方法だと思いました。
  • 当たり前ですが、HIVはゲイ男性だけの病気ではないと、僕は思うんですけどね。
  • HIVの検査に関しては、情報がよく目に入りますが「治療」の流れ、施設に関してはあまり情報がない気がします。
  • HIVは怖い、病気が怖い、ハッテン場は病気が怖い、病気持ちなどという会話をゲイバーや周りでよく聞きます。自分は陽性者なので差別とストレスを感じます。まだまだ周知や理解がされていない方が非常に多い現状なのでもっと正しく理解をしてもらえるよう願っています。
  • 社会的にHIV=ゲイというイメージを払拭してほしいです。
  • 自分は特定の恋人がおらず、ゲイ向けのソーシャルサイトなどで3ヶ月に一回くらい実際に初めて会った人とセックスをしてしまいます。でもその後HIVにかかったんじゃないかとすごく怖くなります。自分はアナルセックスはしないのですがそれでもフェラなどで感染することもあると知っているので本当に怖いです。
  • 身近な知り合いが陽性になるとか、なにかのきっかけがないと、自分は大丈夫なんてつい思ってしまいます。やはり検査して陽性だったら怖いです、生活や仕事考えると。
  • 多くの人にとって、HIVについて考えるきっかけになると思いますので、来年もアンケートを実施してください。 HIV検査で何を思ったか、同じ検査所に行きたいと思ったか、ということも調査して、検査所の対応にいかせるようにして欲しいです。よろしくお願いします。
  • HIVは、マメな検査や知識が必要だと思いますが、その前に、軽々しくセックスできてしまうのも問題だと思います。ノンケ社会より浮気は当たり前みたいな風潮も嫌になる時があります。
  • ハッテン場などの施設があることも、感染を拡大してる要因かもしれない。モラルの一言ですむほど簡単じゃない。快楽にはなかなか勝てないから・・・。このアンケート受けてみて、改めて気を付けようと思いました。
  • 今回参加してみて改めて自分は性感染症に無頓着だと実感した。快楽に流される自分を変える方法が思い当たらない。
  • 今回、たまたま陰性だとわかりましたが、入院しなければ検査しなかったと思います。不特定多数、生で行為しているし、若い頃はウリもしてました。これを機に、セーファーセックスを心がけたいと思います。
  • 同性愛のセックスっていいと思いますね。これからいろいろ困難があると思いますが頑張ってみます。

陽性者として

  • HIV(AIDS)により、体調の浮き沈みがあり働くのに自信が持てないなど、将来や日常の生活に不安になることもあります。決して安易な判断ではなく、そうした時の行政的な支援(生活保護など)を受け易くするなどのサポートも必要ではないかと思います。また、数値的には安定していたとしても皮膚の病気が以前より治りずらくなったことによる障がい者等級の再認定や、くすりの副作用などの情報の開示も必要かと思慮します。
  • ありがとうございました。今は障害手帳の申請をし終わって手帳が届くのを待っているところです。今は凄く不安ででもかかりつけの医師やカウンセラーの方のいう事を守り自分でしっかりと薬をのんでまずはCD4の数値を上げたいです。このアンケートの答えが自分にとっても誰かにとっても役立つといいな・・・ありがとうございます。俺、頑張ります
  • 昨年、HIVに感染していることがわかり、友達ともあまり連絡をとらなくなってしまいました。色んな事が嫌になったりもしましたが、何とか普通の生活を送れるようになったので、病院でも今回のアンケートなどでも、陽性者である自分にできる限りのことをしたいと思い、嘘などなくこちらをお送り致します。
  • 初め感染を知った時はやはりショックだったがやはりこういった客観的な観点から見たら元凶が分かってしまう。なってしまったのは仕方ないと開き直り、これからの自分の行為にかけてみたいと思う。薬で後押しされた快楽は忘れられない位の快楽だが、自分を壊し、見ず知らずの他人も巻き込んでたと思う。狂った誘惑に克てる強い自分になりたいと思う。

     

REACH Online 2012 協力サイト・団体一覧