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3-7 過去6ヶ月間のコンドーム使用に関連する心理・社会的要因

過去6ヶ月間のアナルセックス経験者のコンドーム使用状況に基づいて、コンドーム常用群と非常用群に二群化しました。その上で、セックスに投影される心理とコンドーム常用の関連について分析したところ、セックスに心理的なことを投影している人のコンドーム常用割合は、心理的なことを投影していない人のコンドーム常用割合と比較すると、明らかにその割合が低いことが示されました。コンドームを使用して予防を実践することよりも、セックスの相手との関係性が優先されることや、コンドームがセックスの相手との親密さを阻害することがあると感じられていると言えるでしょう。あるいは、コンドームを使わないことで、相手とつながりたい自分の気持ちを積極的に行動で表そうとしているとも考えられます(図12)。

■図12 過去6ヶ月間のアナルセックス経験者における
   セックスに投影される心理とゴム常用の関連   (分析対象数=2,488人)
過去6ヶ月間のアナルセックス経験者における グラフ

コンドームを使わない背景にはこのような心理的な理由があり、コンドームを使わないという選択を無意識のうちに自らしている現状があるのかもしれません。また、この結果は2003年の調査結果と全く同様の傾向でした。また、抑うつ群は非抑うつ群と比較するとコンドーム常用割合が低いこともわかりました(図13)。

■図13 過去6ヶ月間のアナルセックス経験者における
   コンドーム常用と抑うつの関連   (分析対象数=2,488人)
過去6ヶ月間のアナルセックス経験者におけるコンドーム常用と抑うつの関連 グラフ