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生育歴における出来事

学齢期における体験

「異性間のエイズ予防教育」については全体の47.1%(年齢階級別では10代89.5%、20代73.8%、30代29.3%)が受けていましたが、その一方で「男性同性間のエイズ予防教育」については全体の11.5%(年齢階級別では10代24.3%、20代16.4%、30代6.9%)にとどまっていました。わが国のHIV感染の拡大は男性同性間の性的接触によるものが大勢を占めているにも関わらず、「ゲイ・バイセクシュアルであると気づいたとき、そのことを悩んだ」経験は全体の67.2%(年齢階級別では10代71.3%、20代69.3%、30代66.7%、40代64.4%、50代以上58.2%)でした。その他生育歴における出来事は図3の通りです。

生育歴における出来事(年齢階級別)
生育歴における出来事(年齢階級別)のグラフ
生育歴における出来事(年齢階級別)のグラフ

異性愛者を装うしんどさ

異性愛が前提とされがちな社会において、ゲイ・バイセクシュアル男性は様々な心理的葛藤やストレスを感じているものと思われます。「結婚話をすすめられたとき」にストレスを感じているゲイ・バイセクシュアル男性は全体の54.4%(時々感じる+しばしば感じる)にのぼり、「孫の顔が見たいと言われたとき」にストレスを感じているゲイ・バイセクシュアル男性は全体の50.0%でした。結婚や孫といった会話は親との関係性において強い心理的葛藤を生む1つの原因とも言え、多くのゲイ・バイセクシュアル男性にとって最もストレスフルな出来事であると言えるでしょう。加えて、「彼女いないの?と聞かれ、適当に話を合わせているとき」、「テレビのホモネタを見て、周囲に合わせるとき」にストレスを感じている人の割合はそれぞれ、62.8%、62.4%であり、同様に高率でした。このことは、異性愛者にとっては何気ない一言であっても、ゲイ・バイセクシュアル男性にとっては強いストレスを生じさせる会話であることが示唆されています。

異性愛者を装うしんどさ
異性愛者を装うしんどさのグラフ

メンタルヘルスの現状-抑うつ、自尊感情-

異性愛者を装うしんどさ(異性愛者的役割葛藤)の程度を、低群・中群・高群と三分化しました。その上で、抑うつとの関連を分析したところ、異性愛者的役割葛藤の低群の抑うつ割合は36.8%、中群は45.5%、高群は59.3%であり、異性愛者的役割葛藤が強い人ほど抑うつ割合が明らかに高率であることが示されました。

異性愛者的役割葛藤と自尊感情異性愛者的役割葛藤と抑うつ
異性愛者的役割葛藤と自尊感情のグラフ異性愛者的役割葛藤と抑うつのグラフ

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